― 変な人のお話し ―
これは不動産ワークス合同会社の代表者である綿屋知章が、
去O愛不動産の責任者を務めていた時代と、更にさかのぼって、
10代の頃から務めていた巨V富不動産でのエピソードを含みます。
※一応、フィクションとしておきます
※モデルになった人は誰?、などの返答はできかねます
【 エピソード1 王様不動産 】
不動産業の下積み経験がないのに不動産業を開業しちゃった年配の王様不動産は、不慣れにも関わらず、王のような貫禄で仕事をしようとしていました。ある日、賃貸マンションの一室を仲介した王様不動産は、水道を開栓する方法を知りませんでした。一般的に仲介業者は入居者のために開栓手続きをしてあげるか、またはその手続き方法を入居者に教えてあげなくてはいけません。しかし王様不動産は何も知らないので何もしませんでした。引越しの当日、入居者が大家さんに水道が出ないと苦情を言いました。当然、大家さんは王様不動産に
「どうなってるの?」
と聞いたものです。ところが王様不動産は
「何で大家が水道の手配をしないんだ!」
とキレたそうです。地元の水道局は電話では受け付けず、窓口まで行かないと水道を開けてくれません。たまたま同じマンションの別の部屋を仲介していた綿屋は、偶然にも大家さんのお宅でその話しを聞いてしまいました。綿屋は大家さんに
「ちょうど今から水道局に行くから、その部屋の開栓手続きもしてきましょうか、その旨を王様不動産に言っておいて下さい」
と請け負ったものです。綿屋は無事に水道開栓手続きを済ませ、王様不動産にその旨を報告しました。すると、王様不動産の言うことにゃ
「イヤイヤありがとう、それにしても何で大家がキチンとやらないんだ、まったく・・・ぶつぶつ・・・」
と文句だけ言って電話を切ってしまわれました。さすがは王です。

【 エピソード2 再び王様不動産 】
ある日、綿屋のもとへ王様不動産から電話がありました。
「いや〜住宅の売却を頼まれたんだが、査定の仕方が解らんから、教えてくれないか」
というお話しだった。綿屋は快く承諾し、現地へ向かうことにしました。あわよくば、王様不動産の物件を自分のお客さんに紹介できないかという打算がそうさせていたのです。現地で一通りの査定方法を説明し、
「この住宅は○○○万円が妥当でしょう」
と親切に教えてあげました。そして綿屋が
「売主さんと相談して価格が決まったら、当社のお客さんにも紹介させて下さい」
と言うと、王様不動産は
「わかった」
との返事を下されました。
その後、待てど暮らせど王様不動産から連絡がありません。思い余ってこちらから電話してみました。すると、
「はぁ!あのねぇ、うちが優先なんだよ、先ずうちが買手を募集して、どうしても売れないんだったら、そっちにも教えてやるよ、それが常識だろ!」
と言われました。でました王の常識、自分の都合と自己主張を常識にしてしまう勝手さ、さすがは王です。言うまでもなく、その常識は資本主義社会の自由競争に基づく常識かもしれませんが、決して業界の常識ではありません、そもそも人としての道徳的な常識ではないでしょう。しかし、それはどうでもいいのです。一番驚いたのは、綿屋に価格査定の教えを乞うてきた新参の不動産屋が、あろうことか綿屋に『業界の常識』を言い放ったことです。あまりにも有り得ない言葉を聞いたせいで、脳の細胞が数千個ほど壊れてしまいました。あの後どうやって電話を切ったのか思い出せません。恐るべき王です。
【 エピソード3 再び再び王様不動産 】
ある日、綿屋のもとへ王様不動産から電話がありました。
「おたくのHPにある物件の詳細を送ってよ」
というお話しを賜りました。綿屋は含むところがあったので、曖昧な返事をしました。端から送る気は毛頭ありません、実際には別のお客さんと交渉中だったこともあり、王様不動産の依頼は放置しました。2〜3日後、王様不動産からお怒りの電話がありました。
「物件の詳細を送れって言っただろ、うちのお客が待っているんだよ、どうしてくれるんだ」
とのお声を拝聴させて頂きました。綿屋はこの電話を待っていました。綿屋は
「そりゃアンタの都合だろ、自分の都合ばかり言うな!」
と言って電話を切りました。その後、王様から電話が掛ってくることはありません。噂では、他にも何軒かの不動産屋さんとトラブルになったとかならないとか。考えてみれば、陳腐なテレビドラマに欠かせない、ベターなキャラのおっさんでした。
【 エピソード4 ハイエナ不動産 】
ある日、売物件に○○さんというお客さんを案内しました。大変気に入られて、改めて○○さんから返事をもらうことになりました。2〜3日後、ハイエナ不動産がやってきてこう言いました
「○○さんと私は友達なので、うちも仲介に入るよ」
綿屋は
「うちが売主から依頼を受けて、同時に○○さんからも直接依頼を受けています、貴方が仲介に入る筋合いはありません、諦めて下さい」
と言いました。そもそも、横から割り込んできて、仲介手数料のオコボレに与ろうなんて、今の時代には珍しいハングリー精神です。そのときは、ハイエナ不動産は理解してくれたようでした。しかし結果的に○○さんは、その物件を買われませんでした。数日後、なんとハイエナ不動産は、売主に接触してきました。売主から聞いた話しでは、ハイエナ不動産は『私にも売らせて下さい』と言ったそうです。綿屋は売主に
「受けてもらっても構いませんよ、現地看板を下げてもいいですよ」
と言いましたが、売主は
「いいえ、最初からお宅の看板が上がってるでしょ、筋を通します、ハイエナさんには綿屋さんを通すように言っておきました」
と言われました。とてもいい売主さん。そして恐るべしハイエナ。

【 エピソード5 再びハイエナ不動産 】
以前から売却を頼まれていた物件がありました。先のエピソードとは別の物件です。当然ながら看板を上げていました。何度も現地を調査して、物件案内を作成して、広告にも掲載していました。しかし、綿屋に落ち度がありました。売主と(専属)専任媒介契約をしていなかったことです。綿屋は売主と信頼関係を築く過程で、売主を縛り付けることをしたくなかったのです。そこがハイエナ不動産に付け入る隙を与えることになりました。ハイエナ不動産には条件に合うお客さんがおられたようです。道徳的には看板を上げている業者に問い合せるべき、と言いたいところですが、そこはハイエナ、売主に直に連絡して、こうこうかくかくしかじか、契約を成立させてしまいました。売主にとっては良いことであり、綿屋は買主を見つけられなかったので、文句を言える立場ではありません。売主から連絡を頂いた時も『良かったですね』と言って、所有権移転や抵当権抹消のタイミングなど、聞かれたことにキチンと答えてあげました。
綿屋が現地に掲げた売物件の看板は、諸行無常の響きがありました。その看板が売物件の目印である以上、他社がその目印を利用して物件を開拓することは、一つの手段です。道徳をほざいても資本主義社会では仕方のないことです。何より他社の看板を目当てに物件を開拓するのなら、こんな楽な方法はありません。綿屋も見習おうかな、未開の地を開拓せずに、誰かの足跡を辿って出し抜く・・・、いやいや、人として恥ずかしくてできない、それを平気でやるなんて、やはり恐るべしハイエナ。
【 エピソード6 腫れものの大家さん 】
長い話なので、こちらをクリック ⇒ エピソード6へ
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